技能実習生を受け入れるために監理団体を作りたい!営利を目的としない法人でなければならないって聞いたけど?
この記事では監理団体を立ち上げるための手順や必要な書類について解説します。
1.監理団体設立までのスケジュール
①営利を目的としない法人の設立
②監理団体設立のための要件の充足
③監理団体の許可
2.営利を目的としない法人の設立とは
技能実習法施行規則29条1項では、①商工会議所、②商工会、③中小企業団体、④職業訓練法人、⑤農業協同組合、⑥漁業協同組合、⑦公益社団法人、⑧公益財団法人、⑨それら以外の法人であって、監理事業を行うことについて特別の理由があり、かつ、重要事項の決定及び業務の監査を行う適切な機関を置いているものとされています。
外国人受け入れの監理団体として事業協同組合を設立する企業が増えています。(組合設立のための必要書類についてはこちらのページを参照)
3.監理団体設立のための要件の充足
監理団体の許可を得るためには以下の要件をクリアする必要があります。
まず、監理団体の許可には、事業区分として①一般監理事業(第1号、第2号及び第3号の技能実習の実習監理が可能)、②特定監理事業(第1号及び第2号のみの技能実習の実習監理が可能)の2区分があります。一般監理事業の許可を受けるためには高い水準を満たした優良な監理団体でなければなりません。
特定監理事業に係る許可基準は以下の通りです。
営利を目的としない法人であること(技能実習法25条1項1号)以下「法」と表記 | ||
監理団体の業務の実施の基準に従って事業を適正に行うに足りる能力を有すること(法25条1項2号) | ①実習実施者に対する定期監査
②実習認定取消事由に該当する疑いがある場合の臨時監査 ③第1号技能実習に係る定期の訪問指導 ④不当な方法で勧誘又は紹介を行わないこと ⑤外国送出機関との取次契約締結時の確認及び契約書記載 ⑥申し込みの取次は外国の送出機関からのものに限ること ⑦第1号技能実習生に対する入国後講習の実施 ⑧技能実習計画の作成指導 ⑨帰国旅費の負担等の必要な措置 ⑩人権侵害行為を行わないこと ⑪偽変造文書・図画又は虚偽文書・図画の行使・提供を行わないこと ⑫認定計画と反する内容の取り決めをしないこと ⑬機構への報告 ⑭技能実習生からの相談対応 ⑮規定の掲示 ⑯事業所管大臣が告示で特則要件を定めた場合には、当該特則要件を満たすこと |
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監理事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること(法25条1項3号) | ||
個人情報の適正な管理のため必要な措置を講じていること(法25条1項4号) | ||
外部役員又は外部監査の措置を実施していること(法25条1項5号) | ||
基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次ぎに係る契約を締結していること(法25条1項6号) | ||
上記のほか、監理事業を適正に遂行する能力を保持していること(法25条1項8号) | ①許可を受けた後に監理事業を適正に遂行する能力 | (1) 監理費は、適正な種類及び額の監理費をあらかじめ用途及び金額を明示した上で徴収すること
(2) 自己の名義をもって、他人に監理事業を行わせてはならないこと (3)認定計画に従った実習監理等を行うこと (4)監理責任者の設置等 ・事業所ごとの監理責任者の選任 ・監理責任者による指導 ・監理責任者による指示 ・関係行政機関への通報 |
②監理事業を行う事業所 | (1)所在地が適切であること
(2)事業所として適切であること |
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③適正な事業運営の確保 | (1)存立目的、形態、規約等に基づく範囲での監理事業
(2)規定に従った運営 (3)団体監理型技能実習の申し込みの取次の適正 (4)監理団体の役員や監理責任者の適格性 |
4.監理団体の許可
3で説明した許可基準を満たしているかを添付資料等を添えて外国人技能実習機構本部事務所の審査課へ提出します。地方事務所では受け付けていませんので注意してください。
必要な書類は以下の通りです。
①監理団体許可関係書類一覧・確認表
②監理団体許可申請書(省令様式第11号)
③監理事業計画書(省令様式第12号)
④申請者の概要書(参考様式第2-1号)
⑤組合員・会員等の一覧表
⑥登記事項証明書
⑦定款又は寄付行為の写し
⑧船員職業安定法第34条第1項の許可証の写し
※船員である団体監理型技能実習生に係る実習監理事業を行う場合に限る
⑨直近2事業年度の貸借対照表の写し
⑩直近2事業年度の損益計算書又は収支計算書の写し
⑪直近2事業年度の法人税の確定申告書の写し
⑫直近2事業年度の法人税の納税証明書監理事業所の
⑬預金通帳の写し等の現金・預金の額を証する書類
⑭監理事業所の建物に係る不動産登記事項証明書
⑮監理事業所の不動産賃貸借契約書の写し
⑯-1建物の平面図
⑯-2監理事業所の平面図
⑰-1建物の写真
⑰-2監理事業所の写真
⑱個人情報の適正管理に関する規定の写し
⑲監理団体の組織体系図
⑳監理団体の業務の運営に係る規定の写し
㉑申請者の誓約書(参考様式2-2号)
㉒役員の住民票の写し
㉓役員の履歴書(参考様式2-3)
㉔監理責任者の住民票の写し
㉕健康保険等の被保険者証の写し
㉖監理責任者の履歴書(参考様式2-4)
㉗監理責任者等講習の受講証明書の写し
㉘監理責任者の就任承諾書及び誓約書(参考様式2-5号)
㉙外部監査人の概要書(参考様式2-6)
㉚外部監査人及び指定外部役員の講習の受講証明書の写し
㉛外部監査人の就任承諾書及び誓約書(参考様式2-7)
㉜指定外部役員の就任承諾書及び誓約書(参考様式2-8)
㉝外国委の送出機関の概要書(参考様式2-9)
㉞外国政府発行の外国政府認定送出機関の認定証の写し
㉟監理団体と外国の送出機関との団体監理型技能実習の申込みの取次ぎに関する契約書の写し
㊱外国の送出機関の登記や登録がされていることを証する書類
㊲送出国の技能実習制度関係法令を明らかにする書類
㊳外国の送出機関が送出国の技能実習制度関係法令に従って技能実習に関する事業を適法に行う能力を有する書類
㊴外国の送出機関の誓約書(参考様式2-11)
㊵外国の送出機関の推薦状(参考様式2-12)
㊶外国の送出機関が徴収する費用明細書(参考様式2-10)
㊷技能実習計画作成指導者の履歴書(参考様式第2-13)
㊸優良要件適合申告書(参考様式2-14)
(その他)
・監理団体許可申請に係る提出書類一覧・確認表
※特定職種を取扱職種とする場合の追加書類
・委任状
5.まとめ
監理団体の許可を得るためには非常に多くの書類が必要となります。また、審査期間も申請から3~4か月と時間を要します。余裕をもって準備をしていきましょう。お困りのことがありましたら当センターにご連絡ください。