技能実習生や特定技能外国人を受け入れるためには建設キャリアアップシステムの事業者登録を済ませておかなければなりません。また、受入後は技能者登録についても義務化されています。今回は建設キャリアアップシステムとは何かについて解説します。
1.建設キャリアアップシステムとは
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、職人の適正な評価と給与の引き上げや職人を育てる企業が評価され、受注機会が確保される環境整備を目的に、国・業界が一体となって推進しているシステムです。2023年度から「あらゆる工事でCCUSを完全実施」することを目指しています。
2.登録の種類
建設キャリアアップシステムには2種類の登録があります。
①事業者登録
②技能者登録
これから建設キャリアアップシステムの登録をしていく場合、まずは事業者登録をしてから、各個人の技能者登録をしていくという流れになります。
3.事業者登録について
申請してから一か月程度かかります。事業者登録料は資本金によって異なります。
建設キャリアアップ申請ガイダンスより
(1)申請の流れ
・事業者確認書類の準備
・申請用IDの取得(登録責任者の氏名、住所、担当者電話番号、メールアドレスが必要)
・登録内容の入力
・申請
・事業者登録料の支払い
・事業者ID、管理者IDの通知
(2)必要書類
①(建設業許可がある場合)
建設業許可証明書または建設業許可通知書
(建設業許可がない場合)
法人 事業税の確定申告書または納税証明書+履歴事項全部証明書
個人 納税証明書または所得税の確定申告書、または個人事業の開始届
②社会保険等の加入証明書類(事業所の形態によって必要書類が変わります)
(例)株式会社の場合 健康保険(社保)、厚生年金、雇用保険加入証明書
③その他労災保険など加入証明書類(建退共、中退共など)
(3)その他必要情報
・申込前年度の売上高、完成工事高
・建設業以外に営んでいる業種があれば、その情報
・CI-NET加入の有無
・電子証明書の種類
・主要取引先
・表彰履歴(表彰名、年月日)
・所属団体
4.技能者登録について
申請してから一週間~二週間ほどで登録が完了します。一時帰国した場合にも、カードの有効期間は10年あり、そのまま使用できます。ただし、在留期間や在留資格が変わるなどの事情がある場合は、変更申請を行う必要があります。簡易型か詳細型かによって登録料が変わります。(※特定技能申請において昇給条件をキャリアアップのレベルアップとしている場合、レベル判定のできる詳細型登録の必要があります。)
建設キャリアアップ申請ガイダンスより
(1)申請の流れ
・本人確認書類の準備
・申請用IDの取得(住所、連絡先電話番号)
・登録申請内容の入力
・登録料の支払い
・登録完了通知、技能者ID通知、カード受領
(2)必要書類
①本人確認書類(運転免許証、在留カードなど)
②顔写真(キャリアアップカードに表示されます)
③健康保険被保険者証
④厚生年金加入証明書または健康保険・厚生年金保険標準報酬決定通知書またはねんきん定期便または領収証書
⑤雇用保険被保険者証
③その他労災保険など加入証明書類(建退共、中退共など)
⑤保有資格証明書
(3)その他必要情報
・申請者本人の生年月日、性別、血液型、
・所属事業者情報(IDなど)
・過去一年以内に受けた健康診断日
・職種
・経験
・学歴(主任技術者・監理技術者の場合)
・登録基幹技能者資格の有無
・研修や表彰の履歴
5.まとめ
建設キャリアアップシステムについて解説してきました。申請には必要書類が多い上、登録完了まで一定期間を必要としますので、余裕を持ってご準備ください。